のぼせ、ほてりなど更年期に現れる様々な症状や、閉経以後の女性に起こる骨粗鬆症や動脈硬化は、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの不足が原因の一つと考えられています。この不足しているエストロゲンを、もう一つの女性ホルモンであるプロゲステロンと共に補い、症状を改善しようという治療法が「ホルモン補充療法」です。ホルモン補充療法に使用されるエストロゲン剤には、飲み薬と貼り薬が、あります。尚、プロゲステロン製剤は、飲み薬のみです。

治療開始前のご注意
ホルモン補充療法が受けられない、又は注意が必要な方

■現在乳がんや子宮がんにかかっている人、あるいは過去にかかったことのある人
■重い肝機能障害のある人
■血栓症の既往がある人
■高血圧、糖尿病の人

高血圧、糖尿病の人は、検査を受け、病気の状態を十分に観察しながらであれば、治療を受けられる場合も多いので、医師とよく相談することが必要です。

治療開始後のご注意
予定外の出血が見られた場合

ホルモン治療を始めると最初の数ヶ月に予定外の軽い出血(不正出血)が見られることがありますが、心配する必要はそれほどありません。
服用を続けていると出血は自然に止まりますので服用は中止しないでください。ただし、多量の出血があったり、月経と変わらない出血が服用中にあった場合は、担当の医師に必ず相談してください。

胃腸の調子が悪い場合

吐き気がしたり、下痢が続くような場合は、胃腸薬などと一緒に飲むほうが良い場合もありますので、担当の医師に相談してください。

飲み忘れた場合

1日ぐらいは、変わりはありませんが、長期間飲み忘れた場合には出血が見られることもあります。

定期的な検査

6ヶ月に1度は受けましょう。

血液検査 (貧血、肝機能、腎機能、コレステロールなど)
子宮癌頸検診
子宮体癌検診
乳癌検診
骨密度の測定 (必要に応じて)